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現代医学の寄生虫症
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途上国でマラリア大流行。日本人は全くの無防備
患者さんに対して
ドクター随筆
現代日本の寄生虫症
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対談:現代日本の寄生虫症
〜国際化の時代のなかでその対策を考える〜
東京慈恵会医科大学
寄生虫学教授
大友弘士先生
横浜市立大学
医学部寄生虫学助教授
天野皓昭先生
おおり医院院長
海外邦人医療基金運営委員
大利昌久先生
<司会>
北里大学
医学部寄生虫学教授
伊藤洋一先生
途上国でマラリア大流行。日本人は全くの無防備
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伊 藤:
最初は、現在の日本に寄生虫症が再登場した背景のひとつとして最近増加した海外赴任のビジネスマンや海外旅行者との関連を考えたいと思います。日本人はいま世界各地に出かけますが、熱帯や亜熱帯の開発途上国を中心に、マラリア、住血吸虫など組織寄生の寄生虫や、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫など腸管寄生の寄生虫が大流行しています。
ところが、日本人はそうした寄生虫症流行をほとんど知らず、日本にいるのと同じ感覚で現地での日常を過ごして、思わぬ病気を背負ってしまうという話をよく耳にします。海外の開発途上国でも国内と同じ感覚で半ズボン、半袖シャツで行動して蚊の襲撃にあったり、熱を通さない飲み水、肉や魚、生野菜などを飲食したりという具合で、これでは寄生虫症にかからないほうが不思議です。
そこでまず、大友先生にその状況をお話し願いたいと思いますが、先生は岐阜大医学部の寄生虫学教授を14年間されて、現在は慈恵医大教授として引き続き、マラリアを中心として各種の寄生虫症に取り組んでおわれます。
大 友:
寄生虫症増加の一因には、伊藤教授のご指摘の通り、年間1000万人を超える海外旅行者の増加が背景になっており、帰国の際のお土産代わりにマラリアを持ち帰るケースが大変増えています。
そして同時に400万人近い来日外国人の増加も忘れてはならないと思います。というのは、その人達の多くが、熱帯、亜熱帯地域から来日したり、そこを経由して来る人達で、寄生虫を持ち込む例も少なくないからです。
輸入感染症で一番多いのは、やはり「旅行者下痢症」や「A型肝炎」ですが、「マラリア」は症状が重いという点で極めて重要な疾患です。世界にはマラリアがまだ激しく流行している国が100ケ国近くあり、その感染者数は年間に3億とも5億とも言われています。そして発症者も1億以上と推定されていますが、そういう地域に日本人が無防備で行くのですから、マラリアにかかるのは当然の帰結です。
日本人の輸入マラリア症例は、1970年くらいから増えてきました が、4種類あるマラリアの中で、最も悪性の熱帯マラリアが全体の約30%を占めております。
わが国にもかつては良性の三日熱マラリアがありましたが、南西諸島を除き、もともと熱帯熱マラリアは存在しなかったので、その臨床経験に乏しく、毎年のごとく少数ながら熱帯熱マラリアの死亡例が発生しております。
つまり、その辺の状況把握と医療対応に不安がみられることが問題と思います。
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