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渡航前の健康診断
海外生活における月経異常  


神経系と内分泌系の二大系統が、月経周期を支配している。
これらの系が、それぞれ別個に、あるいは相互に悪影響を受けると、月経異常があわられる。

海外生活によく見られるのは、月経周期の乱れである。月経周期が3週間に短縮されたり、数ケ月遅れたりする。なかには、3ケ月、6ケ月、あるいは、2年間全くなかった(無月経)者もある。
短期の乱れは、それほど問題にならないが、長期の無月経では、その原因を追求する必要がある。
10代の女性では、卵巣の働きがまだ充分でないためで、内分泌系または卵巣自身の障害による。成熟期の女性の無月経の原因はいろいろあり、複雑である。

「3ケ月以上も月経がない」女性の体格は一般に痩せていることが多い。原因は、単に栄養不良のこともある。仕事に忠実で、常に激しい勤務についている女性にもみられる。また精神に問題があると考えられる女性や、経口避妊薬の長期使用後の女性にもみられる。いずれにしろ、基礎体温の記録による無排卵の証明が決め手になる。

海外にいると、婦人科関係の生理や病気にくわしい日本人医師がいるとは限らないので、「家庭医学書」などの平易な教本を持参することをすすめたい。




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月経困難症
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「痛みを伴う月経」で悩む女性は、女性の半数いるといわれ、約10パーセントは、そのために毎月数日、何もできない状態になる。この状態を「月経困難症」という。

10代の若い思春期の女性ばかりでなく、30代の成熟女性にもみられる。思春期の女性では、子宮の発育が不十分なことが原因といわれているが、最近は、生理的な理由、つまり、プロスタグランジンによる収縮説が信じられている。
痛みを伴う女性では、なんの痛みも感じない女性にくらべると、月経血中のプロスタグランジンの量が5倍も多いといわれる。
このホルモンに似たプロスタグランジンは、子宮ばかりでなく、体中の細胞のどこにも存在している。主に、平滑筋、例えば、血管、子宮、腸などの平滑筋の動きをコントロールしているといわれ、その分泌が多すぎると、子宮の動きが活発になり、収縮しすぎて痛むというわけだ。この生理メカニズムが解明されてから、月経困難症の治療は飛躍的にすすんでいる。

他方、成熟期女性の月経困難症は、器質的疾患が潜在していることが多い。子宮の良性腫瘍、避妊リングによる痕などが日常的な原因である。一番多いのは子宮内膜症であり、軽い病気ではない。原因がわかったら、それぞれの処置をすれば治すことができる。

心理的に症状が増幅されるのは、相談相手がいないこと、不安であること、毎月、ほぼ定期的にやってくることなどを「嫌悪感」としてとらえている女性にみられる。




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月経前緊張症
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「月経前症候群」ともいう。
月経前1〜2週間にみられる不安の症状をいう。

症状には、当然個人差があり、日常生活に支障ない軽いものから、「怒りを爆発させ、金切り声をあげ、物を投げたり、あげくのはては、狂ったように泣きわめいたりする」問題例もある。

主に精神症状、神経症状があらわれ、イライラ、不眠、情緒不安定、過敏症、うつ状態になる。
身体的にも、乳房が痛んで張ったり、腹部の不快感や、ガスがたまる感じ、激しい頭痛、悪心、動悸、心身の疲労感などがあらわれる。
月経周期との関係がつかめない場合、神経症とか心身症として片付けられることが多い。

この道の専門家は、「世界中で恐らくもっともありふれた病気だが、単なるうつ状態とは違う」と強調している。
いろいろな資料があり、

* 「女性の自殺発生率が、月経直前の週に高い」
* 「女性の事故のほとんどは、月経前48時間内に起こっている」
* 「精神病で緊急入院する患者の約半分は、この時期に集中している」
* 「刑務所に新しく入ってくる女性の半数が、この時期に犯罪を起こしたものである」
* 「女性が子供を虐待するのもこの時期であり、夫婦喧嘩をする率も高い」等々 である。


女性の月経痛をしっている男性は多いが、このような月経前症候群で、多くの女性が悩んでいることを知らない男性が殆どである。海外生活のストレスの犠牲者に女性が多いのは、諸々の症状がいっそう増幅されるからだと考える。治療法に難点があるので、夫あるいは周囲の温かい愛情と理解が、ぜひ必要な病気である。




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性器出血
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月経以外に出血があったら、なにかと心配の種である。

出血が長びいたり、貧血がすすんだり、セックスのあと出血する場合(接触出血という)は、精密検査が必要である。
特に、緊急を要するのは、癌及び出血性疾患との鑑別である。

一般に多いのは、内分泌失調による機能性出血である。更年期出血や10代の若い女性にみられるのは、この種の機能性出血である。卵巣機能の異常により、ホルモンの分泌がバランスをくずした時にみられる。

正常にホルモンが働いている場合でも、月経と月経の中間、ちょうど排卵期前後に出血がみられることもある。内分泌失調による出血の場合、基礎体温の記録が診断の決め手になる。


代表医:大利 昌久/医療サービススタッフ:サンタンブロージュ


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