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海外巡回健康相談事業

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インドネシア、マレーシア、シンガポールの報告 

出典:海外巡回健康相談事業 アジアチーム報告書(1995年)より
中期アジアチーム  大利昌久
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各国の状況
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1. メダン(マレーシア)

日本人学校で健康相談を行った。
会場には青年海外協力隊の2人の看護婦の協力を得た。彼女たちの勤務するELIZABETH病院への邦人の受診は少ないという。
その理由として水準の低さ、注射針等の消毒の不備等があるという。

メダンの在留邦人は約300人といわれるが、
今回の受診者は、、、
●男性28人(小児 9人)
●女性23人(小児10人)の51人。

成人の日本からの「持ち込み病」としては、、、、
・高血圧(1人)、
・メニエル氏病(1人)、
・甲状腺機能亢進症(1人)、
・痛 風(1人)、
・胆のうポリープ(1人)などがみられた。

肺異常陰影にてCEA高値という邦人のレントゲンフィルムを見せて貰ったが、撮影条件の違いか、技術が低いせいか、ぼんやりした胸部写真で、細部の判断は不明だったため、シンガポールか日本で再検をアドバイスした。心電図異常が認められたのは2人だけで、いずれも重大な問題はなかった。
心電図を取るうちに高温多湿のために、心電図用の「エレクトロード」の接着面が溶けるというハプニングに出会った。今回、心電図を持参するにあたり、従来の吸着装置より接着ロードが便利だと思って、わざわざ出発前に揃えたものだった。
そのため、使用直前に冷所保存が必要であることが分かった。
外務省医務官(ジャカルタ)と会い、情報交換を行った。デング熱の流行があり、邦人も少なからず発病するという。医務官自身も発病したという。
「デング出血熱」の邦人への感染は経験していないということだった。マラリアについては、ジャカルタ在留邦人の死亡例が過去にあり、注意を要するとのことだ。
生水飲用は不可


2. ペナン(マレーシア)

在留邦人約1400人。日本人学校で健康相談を行った。

受診者数は、、、、
●男性32人(小児15人)
●女性46人(小児9人)     の78人だった。

消化器症状、感冒症状などの一般的な病気が主で、大きな問題はなかった。
精神不安の1名は海外での不適応症候群の一面と思われた。
この種の病気は、現地での(言葉の不自由)コンサルタントは問題があると思われた。

日本人学校
●生徒200人      ●教師13人
 ・男性105人      ・男性11人
 ・女性 95人      ・女性 2人     

の相談も行った。

現地の総合病院はあまり利用されていないようで、千葉大出身の
TEE CHIN GEE 医師(NIPPON SURGICAL KLINIK TEL:04-362166)
への受診が目立った。
現地での出産例あり、新生児については、野々山先生のコメント参照。
デング熱に罹る邦人は年間1〜2人、マラリアの発症例はないとのことだった。
日本人学校生徒のアトピー性皮膚炎が7人おり、特に4人は日本にいる時より悪化したが、気管支喘息の発作の回数が軽減したという。アレルギーのVAGOTONIE説を実証するものと思われた。
企業人で日本の薬より、現地の薬の方が症状にあって良かったという人がいた。真偽の程は疑わしい。生水の飲用は不可。


3. イポー(マレーシア)

在留邦人約100人。日馬友好協会で健康相談を行った。
受診者は総じて年配の人が多かった。

「持ち込み病」として、、、、
・高血圧(4)、
・心臓病(1)、
・糖尿病(1)、
・尿路結石(1)
・痛風(1)など        がみとめられた。

日本からの薬が切れたり、目下症状が悪化したりしている人が居た。
糖尿病の人では血糖値を判定、食後2時間値で240を示した。
尿路結石の人では、疼痛があり、血尿、タンパク尿を認めた。
両人とも、かかりつけ医の必要性を説き、現地医の受診をすすめた。
現地では殆どの邦人がIPOH SPECIALIST CENTER(TEL:05-546-788)を受診しているという。但し問題があると思われる例では、現地医療機関を避け、クアラルンプールじゃシンガポールに出ている傾向にある。
現地でマラリア、デング熱などにかかった人はいなかった。生水の飲用は当地でも不可。


4. シンガポール

小・中学校生徒を中心に健康相談を行った。

シンガポール
●小学校 5年生−−−326人(男性188人、女性138人)
     教 師−−−57人(男性 27人、女性 30人)

●中学校 2年生−−−209人(男性113人、女性96人)
     教 師−−−4人(男性4人、女性0人)の受診があった。

小学校では現地採用の外国人教師数人の相談にも応じた。

生徒の中で健康管理上問題となる例としては、、、
●小学校   
  ・ダウン症候群(1)
  ・網状赤血球症(1)
  ・心内膜欠損術後(1)  

●中学校
  ・甲状腺(1)
  ・ターナー症候群(1)
  ・川崎病(1)
  ・胸部奇形(1)
  ・脊椎すべり症(1)

等がみられた。     

小学校で心雑音7人、中学校で4人がおり、心電図をとったが、特に問題になる人はいなかった。
一般的には、小学校で尿検査異常(30)、中学校で感冒症状(28)が目立った。
小・中学校内に保健室があり、現地の保健婦が常駐していて、生徒の打ち身、捻挫、切傷、脱水症、感冒等の処置にあたっており、傍らからみていても適切な処置と思われた。
シンガポールの医療水準は隣国に比べて高く、東アジア地域の「広域医療圏」の中心になっている印象を得た。今日の健康相談を通じて当地の健康相談の必要性に疑問を抱いたのは、私ばかりではないようだ。(2 参照)
在留邦人の代表を対象に、「輸入感染症」について講話を行った。シンガポールの場合、医療水準が高いとはいえ、雇用人を通じて病原性大腸炎、肺結核、寄生虫症、肺炎などの感染はあり得るし、近隣諸国からのマラリア、デング熱、エイズの輸入例は普通であるため、今後も在留邦人の注意を促す必要はある。


5. コタキナバル

コタキナバル入りして驚いたことは、蚊が多いことだ。
ホテルにもベープマットが準備してあり、今回の出張で初めて用いた。
しかし、在留邦人の話では、蚊によって媒介されるマラリア、デング熱の発病は数年前に遡っても少ないとのことだ。
WHOの流行中という報告と矛盾する点は疑問である。A型肝炎の流行は常時あり、邦人の発病も時々あるという。

小学校にて健康相談を行った。
●男性28人(小児8人)
●女性34人(小児12人)と、受診者は少なかった。

重大なものはなく消化器症状と感冒症状の訴えも多かった。
企業人の2家族が、コタキナバル山中で働いているという。
この2家族については、A型肝炎、破傷風、マラリア、デング熱などの予防を説き、外傷時の適切な処置方法などをアドバイスした。うち1人は、木材関係の仕事で、ジャングルの中で生活し、15年経ったというが、特記すべき病気にかかったことはないということだった。
学校教師に心因性と思われる円形脱毛症があり、
(1)現地で適切な医療機関がない。
(2)難治性と思われる。   の2点で、
一時帰国処置を行った。後日、成田空港より連絡があり、虎ノ門病院皮膚科(東京都)に紹介した。


出典:日本医事新報(1997年)より
大利昌久 他 サンタンブロージュのスタッフ
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代表医:大利 昌久/医療サービススタッフ:サンタンブロージュ


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