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インフルエンザ対策

●概説
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染により、ヒトからヒトへ感染する急性呼吸器感染症です。主に飛沫感染ですが、空気感染、接触感染もあります。インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つの型に分かれますが、大きな流行に関係するのはA型とB型です。感染力が強く流行は世界中でみられます。A型インフルエンザウイルスは流行のたびに抗原型が変異していくため、同じ人が何度でも罹患します。潜伏期間は1〜5日(平均3日)と比較的短く、爆発的な流行となりがちです。また、ウイルスの排出は発病前日から発病後7日程度ですが、重症例ではさらに延びる可能性があります。

●症状
インフルエンザにかかると、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などが突然現れ、咽頭痛、鼻汁、咳、などもみられます。普通の風邪より全身症状が強いのが特徴ですが、多くの場合、特別な治療をしなくても10日前後で軽快します。熱はだいたい3〜5日間続きます。また、死亡例のほとんどは高齢者ですが、基礎疾患(気管支喘息、心不全、糖尿病、腎不全、免疫不全)があると、肺炎の併発などにより重篤化することは珍しくありません。合併症として乳幼児の脳炎・脳症が注目されていますが、有効な治療法は今のところありません(タミフルの効果も明らかではありません)。

●診断
以前は、流行の季節と症状からインフルエンザと診断されてきました。ただ、一般のかぜ症候群と重なる症状も多いため、典型例を除いて診断は確実ではありませんでした。現在は、地域の流行状況の把握と、鼻咽頭粘膜のウイルスをチェックする比較的簡便な迅速診断のキットの普及により、より正確な診断ができるようになりました。ただ、感染の早期では陰性になることもあり、診断率は8〜9割程度です。インフルエンザに罹患したかなと感じたら、医療機関を受診し、確定診断を受けて下さい。

●予防
流行期には出来るだけ人込みへの外出を避け、出掛ける際にはマスクを着用することが勧められます。ただ、空気感染の場合もあるのでマスクの効果には限界があります。また、帰宅時のうがい、手洗いの慣行も重要です。普通の風邪(ライノウイルスなど)予防には手洗いが最も効果的です。感染が疑われるとき、外出は避けることが望ましく、人込みに出る時や医療機関受診時には、マスクを着用して周辺への感染を広めないよう注意してください。積極的予防対策として、インフルエンザワクチンの予防接種が最適です。その年の流行型を予測してワクチンが製造されますが、感染したインフルエンザの型との合致程度により有効率は異なります。うまく合致すれば有効率は約70%とされています。ワクチンで感染そのものを防ぐことは困難ですが、発熱を含め症状を軽くし、重症化を予防することが期待できます。

●治療
インフルエンザウイルスの増殖は2日以内にピークに達するため、抗ウイルス薬は発病後2日以内に内服することが推奨されています。抗ウイルス薬で症状が軽快しても、体内からのウイルス排出期間が短縮するものではありません。他人への感染予防に十分留意してください。対症療法としての安静、保温、保湿、水分の補給も重要です。抗ウイルス薬(A型およびB型のインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬剤)として、タミフルが頻用されています。

商品名  タミフルカプセル75 (Tamiflu caps.)
一般名  リン酸オセルタミビル (Oseltamivir Phosphate)
飲み方  1回1カプセル 1日2回(朝・夕) 3〜5日間内服
腎臓の機能に障害のある人は、主治医に相談して下さい。
副作用  蕁麻疹、顔面・咽頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、目が赤くなる、視野がせまくなる、尿に血が混じる、脈がみだれる、腹痛、吐き気など
注 意  タミフルの服用は、必ず医師の指導・指示に従って下さい。


さて、ヒトのインフルエンザとは別に、鳥類のインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれています。最近になり、稀にヒトも鳥インフルエンザに感染することが報告されるようになりました。鳥インフルエンザについても、十分注意し、正しい情報を入手して下さい。
<総合高社産業医会編より>

鳥インフルエンザ

ヒトの鳥インフルエンザの治療


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