ダンボールコンポスト「BOX IN BOX」インタビュー

新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどでのインタビューの内容をまとめたものです。
アイデアのキッカケから、デザインに対する熱い思いまで、文章にまとめてみました。

ダンボールコンポスト開発秘話?とまではいきませんが、お楽しみください。



Q まず、段ボールコンポストとは、どんなモノかご説明お願いします。

はい。ダンボールコンポストとはですね、5年程前から全国各地で環境にたずさわるNPO法人さんや・行政さんが推奨するようになったもので、家庭からでる生ゴミを、ダンボールに入れた腐葉土や米ぬかなどに混ぜ合わせて堆肥化し、土に戻すためのものです。

ダンボールの中の、腐葉土やモミがらくん炭、鶏糞・米ぬかなどを混ぜ合わせた土の中に生ゴミを投入します。すると、混ぜ合わせた土の中に住んでいる好気性の微生物が生ゴミを分解してくれます。

入れ物にダンボールを使用するのはですね、微生物が生ゴミを分解する際に水分と熱が発生します。特に水分はそのまま放っておくと、生ゴミが腐敗する原因になってしまいますので、その余分な水分を、ダンボール紙が吸収して空気中に蒸散してくれます。

地域によっては、家庭で余ったダンボールを使い、ダンボールコンポストを自分で作って、家庭で利用することを呼びかけている自治体もあります。

Q どれぐらい生ゴミを減らすことができるんですか?

4人家族で、1日に出る生ゴミの量は大体500グラム位といわれています。

1日500グラムの生ゴミが減らせるとすると、単純計算で1ヵ月で15キロ、3ヵ月で45キロ、半年で90キロの生ゴミが減らせる計算になります。ごみ出しに使うビニール袋が軽く・小さくてすむようになりますよ。

Q 又野さんは、どうして、段ボールコンポストを開発しようと思ったんですか?

「BOX IN BOX」を開発する直接の理由としましては、昨年の夏・うちの子供が8ヵ月の時、夜中に熱を出したんですね。

はじめての子なので、私も家内もオロオロするばかりで、近くの救急病院に抱きかかえてつれていったのですが、その日は昨年の異常的な暑さの夏の中でも、一番の暑さを記録した日で、赤い顔をしている子供をみながら、その夏の暑さがとても恨めしく思いました。「これも、地球温暖化の影響なのかな」って。

そこで、インターネットで見つけて知っていた、ダンボールコンポストというものを実践してみようと思ったのですが、いろいろと探してみても、自分が使いたいと思えるダンボールコンポストは世の中にありませんでした。大抵が自分で余ったダンボール箱で作りましょう。といったものでした。


手先は器用な方なので、近くのスーパーでもらってきたスイカのダンボール箱で自作して使用してみたのですが、どうもカッコ悪い。壁から離して置かなくてはいけない・底上げの仕組みを作るのが難しい・ベランダでは雨に濡れてしまう・水分でダンボールが弱くなってしまう・・などなど、続けて使うには難しいものがありました。

であれば、「みんなが『使いたい』と思ってくれて、しかも長もちして機能性が高いダンボールコンポストをデザインしてやろう」と思うようになったのがいきさつですね。



僕は、普段はポスターやパンフレットなどをデザインする、グラフィックデザインを仕事としているので、このような立体物をデザインするのは初めてでした。と同時に、ダンボールコンポストで間に空間をもたせた構造のものなど、参考にする資料もありませんでした。まったくの手探り状態からのスタートだったことは確かです。

それに、今まで世の中に存在していないものを作ることになってしまったため、アイデアだけをどこかの企業へ持ち込んで作ってもらうことは難しいと思いました。理解してもらえるのにも時間がかかってしまうだろうし、その間にも温暖化はどんどん進んでしまう。そのために、組み立て説明書から使用説明書、商品が完成した後で販売する方法や宣伝の方法まで、トータルで「BOX IN BOX」をプロデュースする必要にせまられました。頼まれて、宣伝用のチラシを1枚デザインして差し上げるのとは、使う脳みそが全然違いましたね。

でも、デザインやポスターなどで、「地球の温暖化を防止しよう」と、いくら叫んだところで、なかなかヒトの心に届かない部分があることにジレンマを感じる部分もありましたから、実現に燃えていましたね。心に届かないというのは、温暖化防止キャンペーンのポスターを見たヒトに、実際の行動をスグに変えてもらえるか・否か、といったら、なかなか変えてもらえない。温暖化防止キャンペーンのデザインやキャッチコピーなどで届けるメッセージというのは、ジワジワと効いてくるものだと思うんです。そういったジワジワは、それはそれでとても大切だし、そういったジワジワによって出来上がった人々の「何とかしなくちゃ」といった気持ちの上に、僕のダンボールコンポストが受け入れてもらえていることは事実だと思うんです。

そういったジワジワ感の中で、商品としてメッセージのあるものを世の中に送りだすことに、燃えていました。みんなも分かってるんです。でも、「できることからはじめよう」といわれて、電気のコンセントを抜くのは、もうあたり前だし、自分が前向きに関わっているようには思えない。自分から前向きにアクションを起こしたいヒトはたくさんいると思います。その気持ちを実践するひとつに「BOX IN BOX」がなってくれるのではないか。と思いながら考えました。

Q 製品化まで、どれぐらいの時間がかかりましたか?

子供が熱を出して病院に連れていったのが7月の終わりか8月のあたまだったと思いますので、ちょうど7ヵ月と少し(2008年4月に製品化)です。昨年の10月頃からは、ダンボール紙について、ずいぶんと小田原のダンボールを扱っている企業の方にアドバイスをいただきました。大変感謝しています。

Q 又野さんが手がけた「ボックス・イン・ボックス」の特徴とは?

まずは、大小2つのダンボール箱が入れ子式になって二重に組み合わされていることです。

二つ目は、その大小2つのダンボール箱の間に、空間が確保されています。これは、底の部分もちゃんと底上げされている仕組みになっています。このために、内箱のダンボールが、空気に十分に触れて、水分の管理をしやすくしてくれています。

三つ目は、中箱の中には、さらなる水分調整のためのダンボール紙が特別に入っています。そのために、その特別な奴型のダンボール紙を、痛んだら取り代えていただくことで、長期間使用することが可能です。

四つ目は、好みもありますが、キッチンにも置けるデザインだということです。

Q 基本的な使い方を、教えて下さい。

まずは、組み立て式になっていますので、説明書を読みながら、ボックス イン ボックスを組立てていただきます。

ボックス イン ボックスの箱の中に土のう袋を入れ、その中に腐葉土と、モミがらくん炭を混ぜ合わせた土を入れていただきます。割合は腐葉土とモミがらくん炭が4対1の割合くらいです。

ボックス イン ボックスの箱の中の混ぜ合わせた土の水分の具合については、手に掴んでいただいて、軽く握るとポロポロとくずれるくらいが目安になります。大体その程度であれば問題はありませんが、水分が少なすぎると分解がなかなか進まず、水分が多すぎると生ゴミが土の中で腐ってしまいます。どちらかといえば、私の経験では、標準よりもやや乾燥ぎみの方が、土のコンディションを維持していくにはよさそうです。

ボックス イン ボックスの箱の中で、深さが20センチ以上になる深さにまで土を入れていただきます。これは、投入した生ゴミの上にも土をかぶせていただくためにある程度の深さが必要なためです。

そしてその中に穴を掘って、生ゴミと一緒に米ぬかと鶏糞を2〜3つかみずつ投入れて、上から土をかぶせてください。上から土をかぶせた後に、スコップで何回かつついたり、土のう袋ごと一度取り出して揉んだりすると、生ゴミの周りに土が良くくっついて、分解が進みやすくなります。

それから毎日、生ゴミが出る度に、同じように生ゴミと米ぬかと鶏糞を混ぜ合わせていってください。1週間程すると、土の中に住んでいる微生物が生ゴミを分解してくれていますので、はじめの日に入れた生ゴミのカタチが分からなくなりはじめていることと思われます。
→特徴・作り方と使い方

ちなみに、土のう袋・腐葉土・モミがらくん炭・鶏糞・米ぬかは、ボックス イン ボックスのセットにはついていませんので、ホームセンターなどで、別にご購入いただく必要があります。

腐葉土やモミがらくん炭がセットになっていないのには理由がありまして、これは、全国それぞれで活動されている、NPO団体さんや行政さんが推奨しているダンボールコンポストの使い方には、地域それぞれに合ったやり方が紹介されています。

中には、公共施設から出る剪定枝のチップを使用してダンボールコンポストに利用していらっしゃるところもあります。皆様それぞれにお住いの地域にあるノウハウをご利用いただけるよう、腐葉土や米ぬかは、ボックス イン ボックスでは、あえてセットにしませんでした。

Q 普通の生ゴミ処理機などより、価格もお手ごろなんですよね?(*2500円 箱のみ)

そう言っていただけると嬉しく思います。ただし、送料が少しかかりますから、その点はご承知願いたいと思います。(北海道以外の地域へのお届けの場合、送料が1000円になります。北海道へお届けの場合には、1500円です。)

Q どれぐらいの期間、使えるものなんですか?

常日頃よりこまめにチェックしていただいて、水分の管理を上手にしていただければ、内箱の中敷を取り代えていただくことで、半永久的にお使いいただけるものと思われます。

ただし、重量などによる劣化なども考えられますので、どれぐらいの期間お使いいただけるのかは、お使いいただく方々お一人お一人の愛情の度合いによって変わってくるものと思われます。目安としては、1年〜3年くらいをお考えください。

Q 上手に堆肥化させるコツはありますか?

これは、イチにもニにも水分の管理です。生ゴミを入れる際には、水分をよく切って入れてください。

これからの夏場などには、スイカの皮など、水分の多いものが生ゴミで出てくると思います。スイカの皮などを入れた後、土のう袋から水分がしみ出してきてしまうようでしたら、いったん、ベランダなどに新聞紙を拡げた上で、土のう袋ごと乾燥させてみてください。

あとは、揚げ物を調理した後の廃油を少し加えてみるのも、微生物が活性化します。ただし、入れ過ぎにはくれぐれも注意してください。

また、生ゴミは、入れる際に細かく切って入れると、それだけ土のつく面積が大きくなるので、分解が早く進みます。

Q 又野さん、ご自身使われていて、いかがですか?

時々、魚のアラなどを一度にたくさん入れてしまった時など、多少のニオイがするので、家内から小言を言われます。(ちなみに、イカのワタは分解される時にとてもニオうので、室内で使われる方は入れない方が賢明だと思います)あとは、冬にベランダで乾燥させていると、鳥やスズメが寄ってくることくらいでしょうか(笑)。

その他は自分で言うのも何ですが、ひととおり満足しています。うち(自宅のある賃貸マンションの一室がオフィス)ではベランダで家庭菜園をしているのですが、ミニトマトやナスの苗、それに二十日ダイコンやチンゲンサイ、オクラ(サラダごぼうもまきました)も、ボックス イン ボックスで作った堆肥をあげているせいか、すくすく伸びています。あと、コンテナのマーガレットやミントも株分けしなくてはならないほどに育っています。


原油高で肥料も値上がりしてますね。自給自足とまではいきませんが、少しでも安心なものを子供にも食べさせたいと思います。→ベランダで家庭菜園



Q 又野さんが、このほか普段の生活で、環境のために心がけていることなどありますか?

家での生活では、コンセントで電源を切ることですね。これは、私よりも家内の方がうわてなので、私はまだまだですが。それに、布オムツ。これは家内が妊娠している時に、二人でせっせと縫いました。今となっては、家から出るゴミの量にものすごく貢献してくれています。

あとは、持ち箸でしょうか。「箸結び」という、マイ箸を持って歩くためのお箸を包む布をデザインしたこともあるので、外食することが分かっている時には、マイ箸を携帯するようにしています。

よく、「できるコトから」と言われますが、「コトから」ではなくて、「ヒトから」だと思います。世界中には、したくてもできないヒトがたくさんいます。「できるヒトから」はじめるのが大切だと思います。

Q 今後、開発してみたい商品はありますか?

開発してみたい商品ではないのですが、自治体を中心に行われている生ゴミの収集のシステムを、どうにか省エネルギーでできるシステムを考えてみたいですね。

ボックス イン ボックスも、それをめざした商品なのですが、家庭の生ゴミは、そのほとんどが水分でできています。これは、運搬するのにもコストがかかる。そして、重い水分を高い燃料代をかけて運んで、水分を飛ばすためにまた高い燃料代をかけて燃やしている。

ガソリンが200円を突破しそうな勢いの中、家計のみならず、ゴミ処理に費やされている燃料代もバカにならない金額のはずです。そのうちに、今のシステムにとって代わるようなアイデアを思いつきたいと思います。

Q 又野さんが開発された段ボールコンポスト「ボックス・イン・ボックス」は、どうしたら買えますか?(*現在はインターネットでの販売のみ。)

現在は、インターネットでの販売をさせていただいております。

もしも今後、お取り扱いいただけるお店などからお声をかけていただけるようでしたら、前向きに検討していきたいと思っています。こういったものは、たくさんの方々に使っていただけるのが一番ですので。

以上。何回か受けさせていただいたインタビューの内容をまとめてみました。
取材などのお申し込み・お問い合わせはこちらからお願いいたします。


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購入をご希望の方は、こちらのページをご覧ください。


「BOX IN BOX」を利用した、ダンボールコンポストの使用法はコチラ
コンポストとして使用される場合には、土のう袋・腐葉土やモミがらくん炭、米ぬか、鶏糞など、
生ゴミを分解させるための土や基材などは、お住まいの地域で別にお買い求めください。
(使用する土や基材は、お使いいただく方ご自身で、
ご自由に選択・ブレンドしてご使用いただくのが最良と考えております)
教育の現場でもご利用ください。


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